2020. 4.25 宣言文
4月25日は「政府による辺野古新基地建設本体着工セレモニー」から丸3年の日にあたります。 当初、私たち海上行動チームは例年同様の海上大行動を企画し準備を進めてまいりましたが、 新型コロナウイルス蔓延防止に配慮し、現場での抗議行動を一切中止することにいたしました。 しかしながら、この間の政府の不合理な対応に、沈黙するわけにはまいりません。 そこで、各関係閣僚宛、切なる思いを込めた「宣言文」を送付しました。 送付先は以下の通りです。 内閣総理大臣 安倍 晋三 防衛大臣 河野 太郎 国土交通大臣 赤羽 一嘉 環境大臣 小泉進次郎 ----------------------------------- 「2020. 4. 25 宣言文」 私たちは決して忘れない。3年前の4月25日のことを。 その日、辺野古・大浦湾上空には多くの報道ヘリが飛んでいた。 政府が辺野古新基地建設の護岸工事着工セレモニーを賑々しく強行していたからだ。 県民の厚い信託を受けた故翁長知事が、埋め立て承認を取り消したのは2015年10月13日。 工事中止に向けた打開策の模索が始まると多くの県民が期待した。 しかし、その切なる思いは脆くも打ち砕かれた。 翌14日、沖縄防衛局は私人として行政不服審査を請求し同時に執行停止も申し立てた。 その後、国と県はいくつもの法的手続きに入った為、裁判所が和解を提起。 国は「今後も当事者が直接話し合いなさい」という和解の本来の趣旨を顧みず、誠実な話し合いが 実現することもなく護岸工事着工に及んだ。 そして、2017年4月25日。大浦湾奥部で護岸工事は始まった。 政府の不誠実さと信じられない目の前の光景に、言葉を失い嗚咽する者もいた。 大きな悲しみは、人々の平和な明日を涙で曇らせた。 故翁長知事の遺志を継ぎ、県民の圧倒的な支持で誕生した玉城デニー県政下でも、 政府の不誠実で不合理な対応は全く変わらなかった。県による埋め立て承認撤回を、沖縄防衛局は 再び私人として行政不服審査請求し執行停止を求めた。 数々の地方選挙においても国政選挙においても辺野古新基地建設中止を掲げた候補者が圧勝したに も関わらず、県による撤回の執行停止処分を国交大臣が発出した翌日の2018年11月1日、沖縄防衛 局は工事を再開した。翌年2月24日ワンイシューの県民投票でも、毅然と「新基地建設反対」の民意が示された。国が私人を称し国へ権利利益救済を求めた「自作自演の茶番」は到底許されない。 沖縄県による度重なる中止勧告に、ただの一度も従わない沖縄防衛局。 そればかりか非道極まりないことに、県職員がコロナ禍から県民の命を守るべく懸命に尽力してい る緊急事態に、軟弱地盤に関する設計概要変更書類を県へ提出した。 甚大な環境破壊、軟弱地盤の存在、総工費の肥大、工期の長期化(=普天間飛行場の固定化)な ど、辺野古新基地建設工事を中止しなければならない理由は山積みであるが、それに対し故翁長知 事も繰り返し述べていたように「沖縄に新しい基地を造る理由はひとつもない」のだ。 野生生物の生息地を撹乱しすぎた人類は、いま全世界で新たな困難に直面している。 そのような中、沖縄防衛局の 2月の調査で、大浦湾へジュゴンが戻っている可能性が示唆された。 工事がなされていない日に限って確認されたというジュゴンの声は、いったい何を訴えているの か。サンゴ移植や設計変更承認を求める前に、立ち止まり、謙虚に耳を傾けなければならない。 かけがえのない自然や、人々の平和な暮らしを守るため、行動してきた私たちは、 いま、強く、ここに宣告する。 設計概要変更申請を取り下げ、辺野古新基地建設は、直ちに全面中止せよ。