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琉球セメントの桟橋で抗議行動を行い、運搬船とダンプが止まりました(12月11日、写真を差し替えました)

 みなさん報道でご存知の通り、12月3日から12月6日にかけて、名護市安和にある琉球セメント会社の桟橋から新基地の埋め立てに使う土砂の搬出が行われました。

 これに対し、いつもは辺野古や大浦湾で抗議するカヌーチームも琉球セメントの桟橋近くで緊急の海上抗議行動を行いました。 

 沖縄県は琉球セメントに対し、桟橋の使用や赤土流失防止などの届出がなく、違法状態であるとして作業の停止を指導。これにより作業が始まった3日午後には早くも土砂の運搬ができなくなりました。

 しかし国側は、桟橋使用に関しては、県の指摘を受けた後に届出を出したので違法状態は解消されたと主張。

 さらに土砂の搬出に関しては、琉球セメント内に堆積させていた土砂を使用する予定だったのを、採石場からダンプで琉球セメントの敷地内に運び込んだ土砂をそのままベルトコンベアで桟橋に接岸した運搬船に載せていくという方法に変更。これによって堆積した土砂に対して適用される赤土流出防止条例の適用から逃れようとし、5日午後には作業の再開を強行しました。

運搬船を引っ張る船

 12月6日、この日も琉球セメントの入り口では早朝4時半から抗議の市民が多数駆けつけていましたが、8時までには機動隊により強制排除され、次々と土砂を載せたダンプが敷地内に入り、船に土砂が積まれていきました。

 この事態に、辺野古に来ていたカヌーチームメンバーは急遽安和に向かうことにし、8時半頃には琉球セメントの桟橋近くの海上で抗議と監視活動に入ります。

ベルトコンベアから直接船に降ろされる土砂(ショベルカーの乗っている場所も運搬船の上です)

11時半頃、運搬船への土砂の積み込みが終了。しかし近くにカヌーがいるため船は桟橋から離れません。

 船が動けないだけではなく、これによりダンプによる新たな土砂の搬入までもできなくなりました。 前述の通り、国は赤土流出防止条例違反での県の指導を逃れようと「採石場から運んだ土砂を船に直接積み込む」という方法に変更しましたが、これは「琉球セメントの敷地内に土砂を堆積しておくことはできない(=条例が適用される)」ということを意味します。

 このため土砂で満杯になった前の船が出航せず、新しい空の運搬船が桟橋の接岸出来ないという状況になると、運んだ土砂を置いておく場所が無いので、ダンプの動きも止まってしまうことになったのです。

 国は県の指導を逃れるため裏をかいたつもりだったのでしょうが、逆に自らの首を絞めることとなりました。

 これは国の当初の計画を変更させた県の迅速な対応と市民の抗議の成果と言えます。また、国がいかに行き当たりばったりな方法で工事を強行しようとしているかも明らかになったのではないでしょうか?

 桟橋が見える岸には市民が多く集まり「カヌーチームがんばれー!」「ありがとう!」などの声援を送ってくれます。

 機動隊に排除され、目の前でダンプが次々土砂を運び込むのを悔しい思いで眺めていた人々も、小さなカヌーが巨大な運搬船の方に向かっていく姿や、運搬船とダンプが同時に止まることになった海上での抗議に大いに勇気づけられたようでした。

桟橋近くに到着した海保

 12時半過ぎ、海上保安庁のゴムボートが現場に到着。

 しかし、現場は辺野古と違って制限水域ではなくカヌーを排除する何の法的根拠もないため、膠着状態が長く続きました。

 結局、海保が全員を拘束し桟橋近くから離し終えたのが14時半頃(7日の琉球新報の報道によれば、海保は「安全確保のために」拘束したと答えています)。桟橋の運搬船も15時前までには出航しました。

 その後、解放されたカヌーチームは新たな船が接岸される前に再び桟橋を目指しましたが、再度海保に拘束され果たせませんでした。

土砂を満載して出航する運搬船

 15時半までには新たな運搬船が接岸し、ダンプでの土砂搬入も再開されます。

 再びの拘束から解放され岸に戻ったカヌーチームを多くの市民が拍手とともに出迎えてくれました。

 この日の抗議行動は特にカヌーに慣れたメンバーを中心に、昼ごはんも取らず雨にもうたれながら6時間近く海上に出るという過酷な行動となりましたが、結果的に運搬船の出航は3時間、ダンプでの搬入は4時間に渡って止まることになりました。

 また、迫る土砂投入を前に気持ちが沈みがちになっていた多くの抗議の市民に大いに勇気を与え、連帯感を高めることも出来たかと思います。

 県が断固たる姿勢で挑み陸でも海でも市民が抗議することで作業にさまざまな縛りを加えることができること、強硬に工事を進めようとする国がその強硬さゆえに多くのほころびが生じていることも明らかになりました。

 14日の土砂投入が迫っていますが、一人一人が手を尽くして辺野古の海を守るためがんばっていきましょう。

※この日はカヌーチームとしてカヌー10艇、ゴムボート1隻、抗議船1隻が出た他、独自にカヌーなどを出して抗議する市民数名での海上行動となりました。

 状況が状況だけにカヌーのベテラン中心のハードな日程になりましたが、ふだんはカヌー初心者でも無理なく参加できます。

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