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あるカヌーメンバーの言葉

4・25海上座り込みの浜での連帯集会では、カヌーメンバーによるスピーチもありました。

そのうちの1人の青年は、いつも海保の間を素早くすり抜け工事現場をめざし、確保された海保のゴムボートの上で歌をうたい、お昼のわずかな上陸時間にはゲート前に座り込み、また午後から海に出る。 マイペースで、ひょうひょうと笑っていて、自然体でまるで野生動物のような彼。 彼のスピーチを聞いたカヌーの仲間には、普段多くを語らない彼が本当は心の中でいろんな事を 思っているんだと、目頭を押さえた人もいます。 以下は彼のスピーチを書き起こしたものです。どうぞ読んでみてください。

「みなさん、この集会が終わったらゲート前に駆けつけてください。沖縄のおじぃやおばぁが必死にそこで座り込んでいます。海も同じように運動を盛り上げたいと思います。この今日の日をきっかけに、連日20艇、30艇と集まれば、今日のように止めることができます。今日、プリティという(ニックネームで呼ばれている)女性が、あんまり(カヌーを)漕ぐのが上手くないというか、けど、彼女が止めました。そんなに上手くなくても大丈夫です、多分。泳げなくても大丈夫です。ぼくも泳げません、本当です。泳げなくても、走るのが上手だったり、うた歌うのが上手だったり、人それぞれの長所、できることの範囲内でがんばればいいと思います。辺野古ぶるーっていうのは本当にいいチームだなって思ったり、ちょっとこういうとこを直した方がいいんじゃないかなってこともたびたび思ったりするんですけど、辺野古ぶるーは決して軍隊のように規律を求める組織ではなくて、弱々しさであったり、そういうものも見せてもいい、多分。今日4月25日ということで、明々後日、28日は(2年前に20歳の女性が)亡くなった日になります。軍隊っていうのは男らしさを強調する、そういう組織です。逆にぼくたちは、男らしさなんて捨てて、弱々しくてもジュゴンのように眠って、草を食べて、そういう生き物です。ジュゴンのようにぼくたちも、自由に生きて、自由に抗議して、自由に護岸工事を止める。そういう行動をやっていきたいと思います。この松田ぬ浜が決して作業ヤードにされることなく、ジュゴンの見える浜と呼べるように、みなさん、がんばりましょう。あと「工事が6パーセント(しか進んでいない)」という話が先ほどありましたが、この辺野古の海域は、もう埋め立て区域のK1、K2、K3からK4まで、埋め立ての進捗率がもう70%を越えています【注1】。そして、浅瀬だから「(工事は)早く進んでいる」そういうキャンペーンが張られている、見せかけの工事だ、っていうのが一方でありながら、辺野古の海域がもう危機的な状況にあるっていうことも押さえておかないといけない。埋め立ての最初が着工されるって言われているK4からN3、N4、N5、そこの辺野古の海域、7月には土砂投入が行われるっていうふうに言われています【注2】。埋め立てられたら、一度壊されたら、海はもう戻ってきません。泡瀬干潟のように大量の青のりが発生して、もうモズクや貴重な貝が採れないかもしれない。ジュゴンが戻ってこれないかもしれない。そういう現実を見据えつつ、どう運動を盛り上げていくか、一人ひとりが考えて運動していけば、きっと今日の日をきっかけに何かの糸口が見える、そのはずです。みなさん、がんばりましょう!」

【注1】正しくは、K1、K2、K3、K4、N5で囲われる埋立て区域の護岸工事の進捗率が(4月25日時点で)70%を越えています。 

【注2】7月にも土砂が投入されると言われているのは、辺野古崎付近のN3、K4、N5の区域です。

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